中村さんは地域の薬局で薬剤師として勤務し、またコンサルタント薬剤師という薬局の外での仕事もしています。
日本とオーストラリアの薬の違いについては、日本にあってオーストラリアにない薬、また逆にオーストラリアにあって日本にない薬がいくつかあるということ、また薬の最大量が違うということがあるそうです。
処方の薬の量が多いと思ったら、薬剤師さんに変えてもらえるのか質問しています。
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国境なき医師団、白川優子
中村さんがメルボルンに来たのは、おそらく小学生のときに受けたいじめが発端とのこと。ずっと人が怖くて自分が出せずにいた中村さんは、中学、また高校に入っても辛い思いをしました。
「どこに行っても、同じ。― これが今後一生続くなんてありえない、どこかで、自分を変えないといけない」
思い切って、誰も知らない外国に行きたい。
中村さんは高校を1年で中退し、単身渡豪しました。
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そして挑んだ3年間の留学生活は易しいものではありませんでした。
「正直凄く辛い、80パーセント以上辛かった」メルボルンでの高校生活。しかし中村さんには、こちらで得た大きな宝物がある、と言います。
自分のことをしっかり見つめることのできた時間と、「生まれたときから皮膚の色や髪の毛の色、目の色も、隣に座っている子と違って当たり前という環境で皆さん育っているので、違っていていいというか、皆違っていて当たり前という雰囲気」を経験し、中村さんの考え方が変化していきます。
「違ってもいいんだな、っていう考え方に変わった」
この考え方の変化が、留学で得た一番の大きな宝物だったと中村さんは言います。
中村さんはオーストラリアの高校生活を終えた後、日本の大学の薬学部に入り、卒業しました。
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身体に優しい有機野菜を コールズ和美
幼い頃から学校生活でうまくいかなかったことで、体調があまり優れず、薬を使用することも多かったと言う中村さん。薬を飲まなくていいならなるべく減らしたい、と思っていたことが、今につながっているのかな、と記憶を遡ります。
そんな過去を経てきた中村さんが仕事で大事にしていることは?
「たとえば飲んでる薬だとか仕事とか… 一部を見てその人のことをジャッジしちゃいけない」「どんな患者さんが来ても、色んな人生があって、色んな、私が知らない、小さい頃から苦労されたこととかある人もたくさんいらっしゃるので、ジャッジをしないっていうことを一番大事にして仕事をしています」
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「今になって人生を振り返ってみると、遠回りをしていたように思ったんですけど…」
また中村さんは、日本の高校を中退して海外に行くことを決意した時、周囲から人生を遠回りしているように思われ、反対されたことを振り返ります。
「結局、後々の人生で私にとっては今につながっているというか大事なことだったんだな、というのはあるので、本当に人生、無駄なことはないのかなと今やっと実感しているところではあるので、もし同じような状況で悩んでいる方がいらっしゃったら ― 今意味がわからなくても、絶対将来何かつながることがあるんじゃないかな、と私は思います」
中村さんは、今後は予防医学に薬剤師として関わりたいのと同時に、在宅、介護の分野で、日本の良いところを取り入れてオーストラリアのコミュニティーで健康に関するお手伝いができたら、と考えています。
※このインタビュー内で、薬についての発言がありますが、服用している薬などについてわからないことがある時は、必ずかかりつけ医などに聞くようにしましょう。
火木土の夜10時はおやすみ前にSBSの日本語ラジオ!
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