2008年に結成したオーストラリア女子サッカー1部リーグ、Wリーグは、今季から男女平等を目指し、男子リーグとユースリーグとともに、Aリーグの傘下に入り、展開されています。
アデレード・ユナイテッドに今季入団した2人のミッドフィルダー、大宮玲央奈選手と佐々木菜捺子選手は、これまでセミプロリーグであるナショナル・プレミアリーグ(NPL)を舞台に活躍。今季晴れて、プロ選手としてAリーグの舞台に挑みます。
千葉県出身の大宮玲央奈選手(30)は、2020年来豪。来豪から約2年間、新型コロナウイルスによる度重なるロックダウンで、試合の中断が繰り返されるなか、ビクトリア州のNPL、FCブルリーンとサウス・メルボルンFCで自身のプレイをアピール。11試合に出場し、3得点を記録。今季アデレード・ユナイテッドへの移籍を実現しました。世界最長いといわれたロックダウンを経験している大宮選手は、現在もコロナの影響で延期が繰り返されるAリーグについて、「ぜんぜん苦でない」、「メンタルは鍛えられました」と述べています。静岡県出身の佐々木菜捺子選手(22)は、2017年、高校卒業後アデレードに来豪。もともとはCAを目指しており、「英語留学のため」来豪したと説明。サッカーは「趣味程度」で続けていたという佐々木選手は、5年間に渡りアデレードのNPLで活躍。4年間在籍したアデレード・シティではチーム、個人として数々の賞を受賞するなど、中心的な役割を果たしました。また昨年在籍したアデレード・コメッツでは、24試合に出場し、4得点。南オーストラリア州女子NPLのチーム・オブ・ザ・イヤーに3年連続で選出しています。
Adelaide United midfielder, Reona Omiya has endured lockdown over 2 seasons in Melbourne, before moving to Adelaide Source: Adelaide United
Adelaide United Midfielder, Nanako Sasaki has played in the SA WNPL for the past 5 years. Source: Adelaide United
アデレード・ユナイテッドに入団するまでお互いの存在を知らなかったという大宮選手と佐々木選手。佐々木選手の人見知りの性格からか、打ち解けるまで少し時間がかかったと言いますが、遠戦で同じ部屋に宿泊することを重ね、今はお互いにとって心強い存在となりました。これまでのNPLと比べると、「プレーの強度やスピードの違い」を感じるという両選手。
Reona and Nanako are great supporter of each other. Source: Adelaide United
「サポート・スタッフの量も違うし、ひとつひとつNPLと比べると徹底している」、と話す佐々木選手は、自分のパフォーマンスにフォーカスできると話します。
またこれまで、サッカー、学校、バイトの3つを掛け持ちしていたという大宮選手は、「プロサッカー選手として、サッカーが仕事」となり、サッカーに集中できる環境が整っていると言います。
大変な時期もチーム一丸となって乗り越えてきている、団結力を見せて勝ちたい。
「勝ちにこだわってがんばりますので応援よろしくお願いします」
アデレード・ユナイテッド女子、次の試合は1月21日金曜日。西オーストラリア州のクーパースタジアムで、ウェリントン・フィニックス相手に、行われます。
またこのインタビューを収録した直後、アデレード・ユナイテッドの男子チームに、日本人ストライカー指宿洋史選手の加入が発表されました。そして入団発表の翌日選出されたデビュー戦では、ピッチに入りわずか13分で同点ゴールを決め、劇的なデビューを果たしています。
日本人選手が熱いアデレード・ユナイテッドの応援に、ぜひスタジアムに足を運んでください。
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