オーストラリアのバレエ界で最も権威ある賞、『2022Telstra Ballet Dancer Award』にこのほどノミネートされた根本里菜さん。2018年以来4年ぶり、4回目のノミネートとなります。
オーストラリアバレエ団とオーストラリアの通信大手テルストラが20年近くにわたり提供し続けてきた同賞は、過去の受賞者をはじめ、プリンシパル、バレエスタッフ、芸術監督から推薦されるもので、根本さんは今回のノミネートを「意味のあるもの」、「大変光栄」であると語りました。
2011年にオーストラリアバレエ団に入団し、2016年にコリフェ、2018年にソリストに昇格するなど、着々とキャリアを積み重ねてきた根本さん。10年以上ともに過ごしてきたバレエ団は、もはや家族同然の存在であり、パンデミックの時期は大きな支えであったと言います。
舞台ができない期間があったからこそ、舞台の大切さを再確認できたという根本さん。
今は「舞台を大切にしたい」という思いが強くなったと話します。
2020年にはすべての公演がキャンセルされるなど、2年弱、舞台に上がることができなった時期は、メンタル的にもフィジカル的にもとても辛い時期でありました。
体が変わってしまうのではないか、ロックダウン前のコンディションに戻ることができるのか、という不安を常に抱えていたと振り返ります。しかし、「体は頑張った分だけ応えてくれる」と、努力のおかげもあり、無事舞台への復帰を果たしました。
Rina Nemoto joined the Australian Ballet in 2011 Source: Australian Ballet
オーストラリアバレエ団の魅力は「ファミリーなカンパニー」であると語る根本さん。
ひとつの作品をみんなで作ろうという思いが強く、それが観客にも伝わると言います。
近年、日本人を含め、多くのインターナショナルなダンサーがオーストラリアバレエ界で活躍できる理由について、人種問わず、「一人のダンサー」として受け入れてくれるからと説明。これは観客も同様で、「とても踊りやすい環境である」と説明します。
根本さんにとって、バレエとは言葉であり、表現のひとつ。ほかのダンサー、そして観客とコミュニケーションをとる手段です。
『2022Telstra Ballet Dancer Award』の投票は3月20日で締め切りとなります。投票は下記のウェブサイトから、一般の方も簡単に行うことができます。
なお受賞者は、4月5日、シドニーオペラハウスで開催されるオーストラリアバレエ団の初公演、アンナ・カレーニナの後に発表されます。
根本さんの音声インタビューは下記からお聴きいただけます。
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2022年オーストラリア・バレエ・アワード ノミネート 根本里菜さん
SBS Japanese
15/03/202210:14
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