20年以上に渡りアボリジナルアートを日本にプロモートしてきた、アボリジナル・アート・コーディネーターの内田真弓さん。
活動のきっかけは、雨宿りのために偶然駆け込んだギャラリーでした。
1993年に日本語教師ボランティアとして来豪したさいには、アボリジナルアートはもとより、先住民文化の知識も乏しかったという内田さんですが、アボリジナルアートを専門的に取り扱うメルボルン市内のギャラリーに偶然駆け込んだことにより、先住民アートとともにする人生が始まります。
Source: Mayumi Uchida
オーナーの熱心なアートの解説は閉店後も続き、それまでアボリジナルアートの知識が「ゼロ」の状態であった内田さんは、その解説が「心の中にすとーんと入ってきた」と語ります。アボリジナルアートの魅力に惹かれた内田さんは、その後このギャラリーで6年間勤務することに。
2000年には独立し、「Art Space Land of Dreams」を設立しました。
オーストラリアの中央砂漠に位置するアボリジナルの居住区に自ら足を運び、「一点一点自分の目で確認」し、自分が納得できる作品のみをセレクト。「一ヵ所でも多く、ひとりでも多くの日本人にアボリジナルアートの魅力を伝える」ため展示会を企画し、実現化に向けて日々奮闘しています。
Aboriginal art carefully selected by Mayumi, displayed at galleries in Japan Source: Mayumi Uchida
若い画家とは英語での意思疎通が可能である一方で、英語が第5言語に当たるシニア層とは、内田さんが長年培ってきた経験と知識がつまった「まゆみノート」が必須となります。自分が耳にしてきた先住民言語の「音」とともに、その時に感じ取ったことや解釈してきたことを、こと細かくメモしてきました。彼女がこの20年間、親しくしてきた画家とは「ルリチャ語」を使うそうです。
Mayumi communicates to the artists using mixture of English and Indigenous language that she has learnt over the years. Source: Mayumi Uchida
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和解にむけて、移民はどのように行動をとるべき?
アボリジナルの方々と同じ時間を共有する私たちは、オーストラリアの今がどのようにあるのか、「歴史を踏まえた上で、自分がどのように感じるのか、それをどのようにアクションするのかが大事」だと語ります。
「それは他人と同じでなくてもいい」
これは、ナショナル・リーコンシリエーション・ウィークの1週間に限らず、日々意識するべきことであり、この1週間は「意識付け」の期間と捉え、積極的にリサーチをしたり、イベントに参加することを勧められています。
内田さんのインタビューは、来週、後編へと続きます。
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多ジャンルで活躍するディジュリドゥ奏者 サンシさん
火木土の夜10時はおやすみ前にSBSの日本語ラジオ!