Feature

オーストラリアのメンタルヘルスサービスを自分の言語で

オーストラリアに暮らし、英語以外の言語を話す人(LOTEスピーカー)は、自分の言語でメンタルヘルス支援サービスを受けることができます。お住まいの州またはテリトリーから利用できるサービズをご覧ください。

Mental health challenges during COVID-19

Mental health challenges during COVID-19 Source: Getty Images/Visoot Uthairam

国内のメンタルヘルスサポートは、さまざまな言語で提供されており、その大部分が州の管轄にあります。

メンタルヘルスのサポートが必要な状況は多岐にわたり、うつや不安症など、コロナウイルスが引き金となった心の問題から、双極性障害(躁うつ病)やPTSD(心的外傷後ストレス障害)、人格障害、精神病などの精神疾患があります。

多くの場合、サポートを提供する組織には専属の通訳者がおらず、代わりに連邦政府による全国的な通訳・翻訳サービスTIS()を利用しています。TISは150以上の言語について、電話または対面での通訳サービスを提供しています。

は、Mental Health Australiaが運営するプロジェクトで、文化的・言語的に多様な(CALD)背景を持つ人々のメンタルヘルスに焦点を当て、リソース、サービス、情報を文化的にアクセスしやすい形式で提供しています。

日本語を話すメンタルヘルスプロフェッショナルを探すには、(日本語)からどうぞ。

またThe Forum of Australian Services for Survivors of Torture and Trauma (FASSTT)()は、拷問や心的外傷を受け海外からオーストラリアに来た人を対象に活動する、国内の専門リハビリ機関8カ所によるネットワークです。FASSTTの利用者の大半は難民や人道的な目的での移民(humanitarian entrant)としてオーストラリアに入国した人です。各州・テリトリーに1カ所ずつ、FASSTTのメンバー機関が設置されています。

全国のメンタルヘルプ・ライフラインとサービス

BeyondBlueはさまざまな言語での情報提供を行っています。

今すぐサポートが必要な方はから

マルチカルチャル・コミュニティにおけるコロナウイルスとメンタルヘルスはから

翻訳された資料はから

保健省は、COVID-19のメンタルヘルスに関する3つのキャンペーンを複数の言語に翻訳しています。

ニューサウスウェールズ州

NSW Mental Health Line

NSW Mental Health LineはNSW州に住む人すべてが利用でき、年中無休で1日24時間対応しています。電話番号は1800 011 511、ウェブサイトは です。

Transcultural Mental Health Centre (TMHC)

TMHC()は州全体を対象に、文化的・言語的に異なる(CALD)バックグラウンドを持つ人が、より良いメンタルヘルスサービスを受けられるよう活動しています。臨床相談やアセスメント、メンタルヘルスについての意識の向上、リソースの開発、教育やトレーニングの提供などを行っています。

TMHCは、NSW Health(州保健省)と関わりのある個人や家族を対象に、バイリンガルの臨床医による無料サービスを提供しています。このサービスを利用するには、地域のメンタルヘルスチームからの紹介状が必要です。TMHCのスタッフが話さない言語については、TIS(/)による通訳サービスが利用できます。

Service for the Treatment and Rehabilitation of Torture and Trauma Survivors, STARTTS

STARTTS()は、難民として受けた傷からの回復や、オーストラリアでの生活の再建について、個人やコミュニティーの文化に合わせた心理的治療やサポートを提供します。コミュニティーの問題に取り組むコミュニティーインターベンションも行います。

STARTTSのスタッフが話さない言語については、TIS(/)による通訳サービスが利用できます。

ビクトリア州

Foundation House for Survivors of Torture

この団体()では、難民または難民と同じような背景を人を対象に、英語、アラビア語、ビルマ語、Hakha Chin語、ダリ語、ディンカ語、カレン語、ペルシャ語、スワヒリ語、タミル語、ティグリニャ語で無料サービスを提供しています。

このサービスを利用できる資格があるかどうかはこちらから確認して下さい:

スタッフが話さない言語については、TIS(/)による通訳サービスが利用できます。

ビクトリア州ではまた、複数の言語によるメンタルヘルス情報のディレクトリーを作成しています。広範にわたるヘルス情報の翻訳を容易に入手できます:

以下の2つの団体は、メンタルヘルスについてのトレーニングを提供していますが、個人向けの直接的なサポートは行っていません。

Action on Disability in Ethnic Communities (ADEC)

ADECは多文化バックグラウンドを持つ人がメンタルヘルスサービスを利用しやすくすることを目的とし、その一環としてTranscultural Mental Health Access Program (TMHAP、 ) があります。各民族コミュニティーと協力し、メンタルヘルスの問題に加えて、メンタルヘルスサービスやケアラーサービスの利用方法について理解を深める取り組みを行っています。

さらに、メンタルヘルスサービス向けに、民族コミュニティーとの関わり合い方について彼らの文化に合わせた対応モデルや戦略をまとめています。

Victorian Transcultural Mental Health (VTMH)

VTMH(旧Victorian Transcultural Psychiatry Unit 、VTPU)は、文化的・言語的に異なる(CALD)バックグラウンドを持つ消費者やケアラーを相手に仕事をするプロフェッショナル向けに、臨床メンタルヘルスサービスと精神障害サポートサービスについての支援を提供しています。

支援の内容としては、医療専門家向けの相談サービスやコミュニティー開発、教育、消費者とケアラーの参加型プログラムなど。個人への直接的なメンタルヘルスサポートは提供していません。

クイーンズランド州

Queensland Transcultural Mental Health Centre (QTMHC)

QTMHCは州全体を対象に、文化的・言語的に異なる(CALD)バックグラウンドを持つ人がそれぞれの文化に合わせたメンタルヘルスケアやサポートを利用できるようするために活動しています。

QTMHCでは翻訳したヘルス情報の提供:  に加えて、地域のメンタルヘルスコーディネーターを通じた医療専門家の紹介:  を行っています。

Queensland Program of Assistance to Survivors of Torture and Trauma (QPASTT)

QPASTT()は、オーストラリアに移住する前に受けた拷問や、難民であることに関連した心的外傷で苦しんでいる人を対象に、その心身の健康を向上させるためのフレキシブルで文化的に配慮したサービスを提供しています。

QPASTTが提供するのは、カウンセリングなど無料での心理的・社会的なサポートとなります。

World Wellness Group

ブリスベンを拠点にするWorld Wellness Groupでは、CALDのバックグラウンド持つコミュニティー向けのプログラムなどを実施しています。

Harmony Place

コミュニティーを基盤とした多民族の非政府組織で、CALDのバックグラウンドを持つ人を対象に文化に配慮したメンタルヘルスサービスを提供しています。サービスの対象となるのは、移民や移民の子ども、難民、亡命希望者、技能移民とその配偶者で、年齢は13歳以上です。活動は州の各地で行われていますが、特にブリスベン、ローガン、イプスウィッチ、ゴールドコーストなど、多民族化が進んでいる州南東部での活動に力を入れています。

Mental health line

クイーンズランド州の住民を対象に、パプリックのメンタルヘルスサービスを利用する際の窓口として機能しています。電話番号は1300 MH CALL (1300 642255)で、相談内容などの秘密は守られます。

電話をする際は、TIS(/)による通訳サービスが利用できます。

ノーザンテリトリー

MHACA (Central Australia)

年齢が18歳以上で、精神疾患の診断を受けている人を対象にサービスを提供しています。通訳サービスは予約が必要で、スタッフが話す言語は中国語、ウルドゥー語、アイルランド語、ヒンディー語です。

TeamHealth (Darwin)

TeamHealthは()は、NTに住み、メンタルヘルスについて懸念のある人や傷つきやすく不利な状況に置かれている人に対してサービスとサポートを提供します。TIS(/)による通訳サービスが利用できます。ウェブサイトでは、80カ国語以上の自動翻訳機能が利用できます。

Melaleuca Refugee Centre

難民や移民のバックグラウンドを持つ個人や家族に対して、品位を持って対応し、個人を尊重するパーソンセンタードな人道的なサービスを提供する非営利団体です。家族や成人、子ども、若者に対して無料サービスを提供しています。 

The Northern Territory Mental Health Coalition (NTMHC)

NTMHCは、NTでコミュニティーが運営するメンタルヘルスサービスを代表する団体です。

Northern Territory Mental Health Line: 1800 682 288

NTのメンタルヘルスサービスは、Mental Health Helplineを通じて利用することができます。必要な際はTIS(/)による通訳サービスが利用できます。s

西オーストラリア州

Association for Services to Torture and Trauma Survivors (ASeTTS)

ASeTTSは、拷問や心的外傷を受けた難民がオーストラリアで生活を再建する支援を行います。利用できる言語はアラビア語、ディンカ語、カレン語、キルンディ語です。

West Australian Transcultural Mental Health Centre

ロイヤルパース病院の内部のみで利用できるサービスで、患者が退院してからセッションが3回提供されます。通訳者も電話・対面で利用できます。

タスマニア州

Phoenix Centre

Migrant Resource Centreの管轄で活動しており、拷問や心的外傷を受けた人に対して専門のサービスを提供しています。内容はカウンセリングに加えて、多様なトレーニング、個人やコミュニティーの心身の健康を支えるプロジェクトなどとなっています。Phoenix Centreはホバートとローンセストンにスタッフを配置し、州全体でサービスを提供しています。

タスマニア州のメンタルヘルスサービスは、州に住み深刻な精神疾患を抱える人に対して、入院施設やコミュニティーでのケアを提供しています。これらのケアは、政府のクリニックで直接、またはほかの大手ヘルスケアプロバイダー、GP、プライベートの専門医、プライベート施設などを通じて利用できます。利用方法についての情報は:  まで。アセスメントや紹介状についてはヘルプライン(1800 332 388)に電話してください。

ACT

Companion House, Assisting Survivors of Torture and Trauma

カウンセリングサービスを提供するほか、サポートワーカーの支援を受けて、亡命希望者や難民の人との取り組みを行っています。Companion Houseの目的は、人々が過去の心的外傷を整理し、人生の難局を切り抜け、オーストラリアで生活を再建する手助けをすることです。

カウンセラーは、新しくやって来た移民と長期的に定住している移民の両方と接しており、成人、子ども、若者それぞれに対して専門的に対応できます。

ACT政府が提供するメンタルヘルスのクライシスサービスは、電話(1800 629 354 もしくは 02 6205 1065)またはウェブサイト()から利用することができます。

南オーストラリア州

Relationships Australia

Personal Education and Community Empowerment (PEACE) サービスが、文化的・言語的に異なる(CALD)バックグラウンドを持つ多文化コミュニティーへの対応に集中しています。PEACEは滞在ビザの種類に関係なく、個人や家族、コミュニティーに対して支援を提供しています。

Survivors of Torture and Trauma Assistance and Rehabilitation Service, STTARS

STTARSは、難民や難民と同様のバックグラウンドを持つ人を対象に、回復とヒーリングという点で専門的なサービスを提供しています。サービスは無料で、オーストラリアでの滞在期間の長さに関わらず、サービスを利用できる可能性があります。STTARのサービスを受けるには現在順番待ちとなっていますが、受付順ではなく、ニーズの高い人へのサービスが優先されます。

STTARSのサービスは無料で、自発的、秘密は守られます。資格を持ったカウンセラーや通訳者が業務にあたります。

また、子どもや若者、家族や亡命希望者向けの専門のプログラムもあります。


 

  • オーストラリアでは、ほかの人との距離を1.5メートル以上保たなければなりません。あなたの州・テリトリーの制限は、から確認してください。
  • COVID-19のウイルス検査はオーストラリア各地で広く普及しています。風邪やインフルエンザのような症状がある場合は、医師またはコロナウイルス・ヘルスインフォーメーション・ホットライン(電話番号1800 020 080)に電話で問い合わせて、検査を受けましょう。
  • 連邦政府が公開したウイルス追跡アプリ「COVIDSafe」は、使っているスマートフォンのアプリショップからダウンロードできます。
  • SBSはオーストラリアの多様なコミュニティーに対して、COVID-19についての最新の情報を伝えることに取り組んでいます。では、関連のニュースや情報を63の言語で知ることができます。

 

 

火木土の夜10時はおやすみ前にSBSの日本語ラジオ!

から過去のストーリーを聴くこともできます。

SBS 日本語放送のもお忘れなく。

 


Share
Published 9 June 2020 3:12pm
Updated 14 July 2021 4:07pm
By SBS/ALC Content
Presented by Junko Hirabayashi, Yumi Oba
Source: SBS


Share this with family and friends