「ビーチの正しい知識を持って遊ぶ」 ライフセーバー 坂内あかりさん

Beach Safety Life Saver

Akari Sakauchi (2nd from left) became a lifesaver after she turned 40. Source: Akari Sakauchi

シドニーのマンリービーチを拠点に活動するライフセーバー、坂内あかりさんに、ビーチセイフティーについてお伺いしました。この夏、ビーチに出かける前にぜひ参考にしてみてください。


シドニーのマンリービーチでライフセーバーとして活動する坂内あかりさん。

「ライフセーバーの新米ですが…」と心地よくインタビューを受け入れてくれた彼女は現在42歳。40歳を過ぎてから、ライフセーバーのブロンズ資格を取得したと言います。

そのきっかけは、娘のエリナちゃんが受けていた「ニッパーズ」のクラス。ニッパーズとは子供たちのライフセービングのクラスで、そのとき初めて「ライフセービング・クラブ」の存在を知ったと言います。 
Surf Life Saving Nippers
Akari fell in love with the inclusive nature of Surf Lifesaving Club, when her daughter joined the nippers Source: Akari Sakauchi
なるべくたくさんの人たちに資格を取得してもらい、「正しいビーチの知識を広めて、みんなでビーチを守りましょう、というとてもインクルーシブな環境」に魅了されたと説明します。

「子供からライフセーバーのOBまで、みんなのコミュニティー、みんなのクラブなんです」 

あかりさんは約2ヵ月間のトレーニングを経て、ブロンズの資格を取得。トレーニングはファーストエイドやCPRを学ぶ「ドライセッション」と、レスキューの訓練である「ウェットセッション」、そして体力作りで構成されています。

ブロンズはチームとしてレスキューを行い、決して一人で行うことはありませんが、クラブの方針として、できるだけ多くの人にブロンズを取得してもらい、「みんなでビーチを守る」というスタンスなんだそうです。
Surf Life Saving Nippers
Source: Akari Sakauchi
オーストラリアのビーチでよく耳にするリップとは?

リップとは海岸から沖に向かってできる強い流れであり、リップ・カレント(離岸流)を短縮した言葉で、サーファーやローカルの人々は一般的に「リップ」と呼んでいます。

これは砂が堆積したことによって溜まった水が、沖に戻ろうと少しずつ流れることでできる溝に、一定の水が流れたときに発生する強い流れです。周囲に比べるとそこは波が割れていないため、深い緑色で一見穏やかに見えますが、実際には真逆。リップに入ると沖まで流されてしまいます。
Bondi Beach
Bondi Beach, Sydney Source: Yumi Oba 
ライフセ-バーの方たちは“White is nice, green is mean(白は優しい、緑は意地悪)”と、波の性質を伝授しています。

リップに入ってしまったら?

リップによって「はるか沖まで流されることもないし、海底に引きずり込まれることもない」と話すあかりさんは、万が一リップに入ってしまった場合、まずは第一にパニックを起こさないこと、そして波の性質を考えてから、行動を起こすことが重要と述べています。パニックになることが、溺れる原因になるかもしれません。

「リップの特徴を思い出してください」、沖の彼方に流されることはなく、どこかで止まります。「体は沈まないようにできています」。

抵抗せず、体を浮かせ、片手を上げてヘルプを求めてください。流れが止まったら、レスキューを待つか、自力で白波を利用して岸に戻ることもできます。

また、リップに入ってしまった人を助けようとした人が、溺れてしまう事故も度々報告されています。泳ぎが得意じゃない人、ボードなど浮くものを持っていない人は「たとえ(リップに入ってしまったのが)自分の子供でも危険」であり、レスキューを求めるよう進めています。

リップを怖がらず、正しいビーチの知識を持って楽しむ

しかし、リップがあるからといって「怖がる必要はない」と語るあかりさん。

サーファーが巧みにリップを使って沖に出るように、「正しいビーチの知識を持っていれば、リップを使って楽しむこともできる」と言います。
Surf Life Saving Beach Safety
Having the right knowledge about the beach is key to staying safe and enjoying your time. Source: Akari Sakauchi
インタビューではこの他にも、遊泳やサーフィンの場所を分ける旗について、さらにはレスキューされやすい意外な年齢・性別についてお聞きしました。フルバージョンは下記音声インタビューからどうぞ。
LISTEN TO
“White is nice, green is mean": The right knowledge of the waves can keep you safe this Summer image

「ビーチの正しい知識を持って遊ぶ」 ライフセーバー 坂内あかりさん

SBS Japanese

21/12/202112:48
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