このバイオリンは、通称’アデレード・バイオリン’と呼ばれ、1955年に南オーストラリアの人々によって買い取られ、以来南オーストラリア州が所有しています。現在、100万米ドル、日本円にして約1億1000万円相当の価値があるそうです。奈津子さんは、「この楽器の存在は知っていたが、私がまさか次のカストディアンになるとは思ってもいなかった。このバイオリンが奏でる音は、これまで私がずっと探してきた音だった。」と話しています。
'Adelaide Violin' Guadagnini Violin, February 2019 Source: Adelaide Symphony Orchestra
奈津子さんは、3歳でバイオリンを習い始め、若干11歳にしてイギリスのユーディ・メニューイン・スクールでバイオリンを学びました。2008年以来アデレード交響楽団で、コンサートマスターとして活躍されています。
’アデレード・バイオリン’のような、極めて長い歴史をもつバイオリンはどういうものなのか、奈津子さん自身、指名されたことについてどのように感じているのか、お話を聞きました。
Natsuko Yoshimoto and 'The Adelaide' Guadagnini Violin Source: Adelaide Symphony Orchestra