Key Points
- たばこ税は、9月から今後3年間、毎年5%ずつ引き上げられる
- 今月発表される予算では、オーストラリアの10代の若者の間で問題となっているベイプに取り組むため、2億3400万ドルの投資が予定されている
- ベイプの使用を阻止するため、6300万ドルの公衆衛生キャンペーンが実施される
連邦政府は、たばことベイプの取り締まりを強化するため、たばこ税の増税を実施する予定です。
また政府は次世代のニコチン中毒者を出さないようにするため、レクリエーション用のベイプも禁止する見込みです。
マーク・バトラー保健相は、今後4年間で33億ドルの税収を確保するため、9月から3年間、たばこ税を毎年5%ずつ引き上げることを、ナショナル・プレス・クラブで発表しました。
また政府は、オーストラリア薬品・医薬品行政局(TGA)が率いたパブリックコンサルテーションの結果を受け、処方箋を必要としないベイプ製品の輸入禁止をはじめ、許容されるニコチン濃度と量の削減、医薬品に準じたパッケージング、使い捨てベイプの禁止などを実施する予定です。
バトラー氏は、4歳未満の子供がベイプを使用し、ビクトリア州の毒物ホットラインに報告されるなどの実例を挙げ、公衆衛生上の問題の大きさを明らかにしました。
「これらは、キャンディーやチョコレートバーのように、子供たちをターゲットにした製品です」
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「ベイプはハイスクールにおける行動問題の第1位で、小学校でも広まりつつあります。これは終わらせなければなりません」
バトラー氏は、苦労して得たたばこ利用者減少の公衆衛生上の成果が「新たな脅威」によって台無しにされる可能性があると指摘。
「ベイプは、長期的な喫煙者がやめるのを助けるために治療製品として、世界中の政府やコミュニティーに販売されました」
「レクリエーション製品として販売されたものではありません。子供のためのものでもありません。しかし、それがオーストラリア史上最大の抜け穴になってしまったのです」
野党のピーター・ダットン党首は、保守連合もベイプの使用率を下げるための対策を支持すると述べています。
「これは我が国における重大な問題で、対処する必要があります」。
Federal Minister for Health and Aged Care Mark Butler. Source: Getty / Martin Ollman
オーストラリア医師会のスティーブ・ロブソン会長も、この動きを支持しています。
「オーストラリアの新たな若者世代がベイプに夢中になっていることはよく知られています。これは素晴らしい取り組みです」
「ベイプは、タバコを辞める際のステップダウンプログラムの一環として使用され、最終的にはベイプからも離れるべきです。そうすることで、有害なものを吸い込むことを避けられるはずです」
「ベイプに何が含まれているかは、誰もわかりません」。
オーストラリア人のベイプ使用を阻止するため、政府は6300万ドルの公衆衛生キャンペーンを実施する予定です。
オーストラリア人の禁煙を支援するプログラムには3000万ドルが投じられるほか、医療従事者の禁煙・ニコチン療法に関する教育も強化される予定です。
また政府は、先住民の禁煙を支援するプログラムにさらに1億4,000万ドルを投じ、これをベイプにも拡大する予定です。
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