Key Points
- 調査では参加した企業の大部分が週休3日制を継続、または継続する予定であると回答
- 労働時間の短縮による生産性の低下は見られず、試験期間中の企業収益は平均で1.4%増加
- 雇用が増加し、欠勤率が低下したことも明らかに
週4日勤務制の方が従来の週5日勤務制よりも生産性が高いことがわかりました。
イギリスで実施された過去最大規模となる実験により明らかになりました。
イギリスの60以上の企業が参加した実験では、約3000人以上の従業員が同じ給料のまま、週1日少なく勤務。
この実験は、非営利団体「4 デー・ウィーク・グローバル」が、シンクタンク「オートノミー」、ケンブリッジ大学、米ボストンカレッジとともに、昨年6月から12月にかけて実施したもので、「世界最大規模の試み」と言われています。
21日火曜日に発表された調査では、10社のうち9社以上が週4日勤務制を継続するか、またはその予定であることが明らかにされました。
週休2日制を延長しない企業はわずか4%に留まりました。
研究を率いたボストン・カレッジのジュリエット・ショア教授は、「結果はさまざまな規模の職場でほぼ安定しており、これが多くの種類の組織で有効な革新であることを示している」と述べています。
労働時間の短縮による生産性の低下は見られず、試験期間中、会社の収益は平均1.4%増加しました。
また、過去の同様の期間と比較すると、収益は平均で35%も増加したこともわかりました。
さらに雇用が増え、欠勤が減り、離職者が激減したほか、従業員の健康と幸福が全体的に改善されたと研究者は結論付けています。
従業員の身体的・精神的、さらには運動時間、生活と仕事の全体的な満足度において、「有意な」増加が観察されました。
この他にもストレスや燃え尽き症候群、疲労の割合もすべて低下し、睡眠に関する問題も減少したと言います。
「圧倒的にポジティブ」
AFPの取材でケンブリッジ大学のブレンダン・バーシェル教授は、従業員のメンタルヘルスが向上し、より良い睡眠がとれるようになり、さらには燃え尽きることが少なくなったと、明かしました。
「同時に、企業の利益や業績に変化があった場合、どちらかといえば、低下するよりも上昇する可能性が高いと報告されました」
「そして、多くの人が非常にハッピーで、本当にそれを楽しむという報酬を、3日間の休みをもらうことで得ることができたのです」
イギリスの環境コンサルタント会社タイラー・グランジは、この実験後、週4日勤務制を恒久的に導入した18社のうちの1社です。
タイラー・グランジのクライアントディレクターであるネイサン・ジェンキンソン氏はAFPの取材に対し、実験の結果は「圧倒的にポジティブであった」と明かしました。
「日々の仕事に活気が出てきたのがわかりした」
「週明けの月曜日、3日間の休みを取って出社した社員は、仕事に対してより前向きな気持ちで、エネルギーがみなぎっているのです」
タイラー・グランジは、労働時間の短縮にもかかわらず、ターンオーバーがわずかに上昇したと報告しています。
近年週4日勤務制の研究は、雇用主が在宅勤務を可能にするハイブリッドワークプレイスのコンセプトなど、ポストパンデミックな柔軟性を模索する中で世界的に広がっています。
労働時間短縮の実験は、ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、そしてオーストラリアやニュージーランドでも行われています。
しかし、イギリス政府がこの試みを国として採用する可能性があるかという質問に対し、リシ・スナク首相報道官は「その予定はない」と慎重な姿勢を示しました。
This article contains AFP content that has been re-expressed in-language by SBS. AFP is not responsible for errors originating from the translation process.
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