キーポイント:
- 難民ウィークとは、一般の人々に難民について知ってもらう年中行事
- 難民ウィークは毎年異なるテーマで開催される
- オーストラリア難民協議会では、年間を通じて多くのプログラムを実施し、難民に対する認識を高めている
- 過去10年間で、難民の数は2倍以上に増えている
毎年、何百万人もの人々が故郷を追われ、安全に暮らせる場所を求めています。
オーストラリアで初めて開催された難民ウィークは1986年に遡り、シドニーで、Austcareによって開催されました。1987年にはオーストラリア難民協議会(RCOA)が難民ウィークの共同主催者となり、翌年には全国的なイベントとなりました。2004年からはRCOAが難民ウィークの全国的なコーディネートを行っています。難民ウィークの目的のひとつは、「難民がオーストラリア社会にもたらす積極的な貢献を称えることである」とRCOAの副CEOであるアダマ・カマラさんは語ります。
Adama Kamara, Deputy CEO of RCOA Source: Supplied by RCOA
全体的な目的は、難民コミュニティーと非難民のコミュニティーの理解を深め、互いをより歓迎することです
「ヒーリング」
今年のテーマは 「ヒーリング」。世界中の人々にとって非常に困難であった過去12ヵ月を反映したものであると、カマラさんは言います。
COVIDは、人と人との繋がりがいかに大切か、そしてその繋がりがいかに重要かを教えてくれました。
はシドニー在住の弁護士で、難民ウィークのアンバサダーのひとりです。彼はイラクのアッシリア人家庭に育ち、難民としてヨルダン、トルコ、ギリシャを経て、1994年にオーストラリアで安住の地を得ました。スレワさんは、世代間のトラウマが癒えるには何年もかかると言いますが、難民が定住し、新たな人生を始めることで、ヒーリングは可能であると説明します。
RCOA ambassador, Oliver SLewa Source: Supplied by RCOA
彼は、難民のヒーリングに重要な要素は「回復力」であり、このヒーリングのステージはオーストラリアに足を踏み入れたその日から始まると考えています。
また、「ヒーリング」のテーマは、メインストリームと難民のコミュニティーが、共通の苦難をもとに癒やし合い、互いに学び、前進することを促すものでもあります。
スレワさんは、ヒーリングへの第一歩は他者に話すことであると説明します。
ヒーリングとは、人と話すこと、自分の物語を共有すること、偏見なくオープンにその旅を語ることができること、そして受け入れてもらえること...。
対面式プログラム
RCOAでは、難民ウィーク期間中はもちろん、期間外でもさまざまなプログラムやアクティビティを実施しています。
難民生活を経験したスピーカーたちが、安住の地にたどり着くまでのストーリーを共有することで、生徒たちは難民について、また彼らの経験やオーストラリアへの貢献について学ぶことができます。
このプレゼンテーションは、小中高生、教師、関心のあるグループ向けに作成されています。
Face-to-Face program by RCOA Source: RCOA
難民の数は2倍以上に
カマラ氏によると、RCOAはオーストラリア政府に対し、人道的プログラムによる難民の年間受け入れ人数を増やすよう働きかけています。
現在、人道的プログラムを通じて受け入れることのできる難民は年間1万3,750人ですが、私たちはこの人数をもっと増やすことができると考えています
火木土の夜10時はおやすみ前にSBSの日本語ラジオ!