日米豪印「クアッド」 4ヵ国の首脳会合

自由や民主主義という共通の価値観を強調した上で、中国への対抗を念頭に、「自由で開かれたインド太平洋」に改めてコミットすることで一致しました。

QUAD leaders meeting White House

Source: Adam Taylor

オーストラリア、日本、インド、アメリカの4ヵ国、「クアッド」による初の対面首脳会合が現地時間の9月24日、米ホワイトハウスで行われました。

クアッドはトランプ前政権が2017年に主導した中国を牽制する協議体。

バイデン政権は早い段階で、インド太平洋地域の戦略において、クアッドの協力の重要性を示し、クアッドの格上げを優先してきました。

今年3月にはオンラインによる会議が開催されましたが、モリソン首相、菅首相、インドのモディ首相、アメリカのバイデン大統領一堂が顔を合わせるのは今回が初めてです。
QUAD leaders meeting White House
Prime Minister Scott Morrison attends the White House in Washington DC for the QUAD leaders meeting, September 24, 2021. Source: Adam Taylor
会合の冒頭で4首脳は、自由や民主主義という共通の価値観を強調した上で、中国への対抗を念頭に、「自由で開かれたインド太平洋」に改めてコミットすることで一致しました。

モリソン首相は、自由で開かれたインド太平洋は、「地域の安定と繁栄」をもたらし、「国民は自由な社会で将来への希望や夢を実現できる」と述べました。

また4首脳は、新型コロナウイルスワクチンやクリーンエネルギー、インフラ、宇宙などでも協力を拡大していく方針で一致。

3月のオンライン会議で合意された、インド太平洋地域への10億回分のワクチン供給についてモリソン首相は、少なくとも6億7,000万回分が提供されているとし、目標に向けてさらに追加することを約束しました。

さらにモリソン首相は、サイバースペースをはじめ、重要な新興技術における信頼と安全性の協力を強調し、その「鍵を握るのが開かれた社会の中で問題を解決し、サプライチェーンの課題に取り組むこと」であると述べました。

日豪会議

Scott Morrison Yoshihide Suga QUAD
Prime Minister Scott Morrison holds a working breakfast and One-On-One with the Prime Minister Suga of Japan on September 24, 2021. Source: Adam Taylor


クアッドに先駆けて、モリソン首相は24日午前、朝食を挟みつつ菅首相と会談。

両首脳は「自由で開かれたインド太平洋」実現の要であるASEANの中心性・一体性を引き続き支持しつつ、日豪や日米豪印で連携して具体的な取組を進めていくことを確認しました。

また菅首相は、15日に発足された豪英米の安保パートナーシップ「AUKUS」への歓迎も示しました。

北朝鮮についても意見が交わされ、菅首相が弾道ミサイル活動や拉致問題の即時解決に向けた理解と協力を求めると、モリソン首相は支持を示しました。

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Published 28 September 2021 12:04pm
By Yumi Oba

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