Key Points
- スケートボーダーのアリサ・トゥルー選手は、オーストラリア史上最年少の14歳86日でのオリンピック金メダリストとなりました 。
- 女子パークでの優勝は「世界最高の気分」。
- 家族のサポートに感謝し、友人たちとスケートをする時間を楽しみにしていると言います。
14歳の日系スケーター、アリサ・トゥルー選手はここ1年で、数々の記録を更新し、スケートボード界に新たな基準を作り上げてきました。
しかし、オーストラリア史上最年少でオリンピック金メダリストになったトゥルー選手にとって、一番大事なのは「楽しむこと」だと言います。
そして新しい名声を得た今も、その気持ちは変わらないそうです。
「スケートを続け、人々に見てもらえるようにビデオを投稿し、ただ楽しみ続け、新しいトリックを学び続け、世界中を旅し、競技に参加し続けるつもりです」と、SBS日本語放送に語りました。
昨年11月、当時13歳だった彼女は、オーストラリア代表としてオリンピックに出場する夢をSBSに語ってくれました。
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13歳で世界記録を樹立、「パリ五輪は最大の夢」アリサ・トゥルー
去年、大会で女性として初めて720(空中2回転)を成功させた後も限界に挑戦し続けたトゥルー選手は、それから1年も経たないうちに、次は女性として初めて900を着陸。金メダルはさらなるご褒美となりました。
「オリンピックに出ることが最大の夢だったので、世界で最高の気分でした。」と勝利を振り返ります。
学校へ
素晴らしい結果を出したにもかかわらず、何よりも学校に戻り、友達と過ごせることが嬉しいと語るトゥルー選手。
「学校に戻り、友達みんなと一緒に過ごすのは本当に楽しいです。でも、多くの人が以前よりも、私のことを知ってくれています。でも学校はこれまでどおりです。みんな私のことを喜んでくれていて、私も友達とスケートを楽しんでいます。」
しかし自宅や学校の外では、以前よりも注目されるようになりました。
「昨日空港に行ったら、10人くらいの人が私のことを知っていて、写真をお願いされたり、挨拶してくれました。普段とは明らかに違いました。」
母親の愛子さんは、スーパーマーケットに出かけるだけでも、さまざまな人に声をかけられるようになったと言います。
「そのときそのとき、毎回止まってお話しをしていると、どんどん時間が経ってしまって、なかなか目的が達成できないんですけど、でもそうやって周りの方がすごく応援してくださっているだなと思って、とても嬉しく思います。」
「一番好きなこと」
オリンピックの出場権を得るために多大な努力を重ねてきたトゥルー選手ですが、それを挑戦と感じたことはないと言います。
楽しいから毎日スケートをしています。一番好きなことをしているだけです。Arisa Trew
「(オーストラリア選手団の中で)最年少ということに、プレッシャーは感じませんでした。ただ楽しみ、できる限りベストを尽くし、しっかり滑ることだけを考えていました。」
愛子さんは、娘が普段通りの生活を送れること、友達と遊べる時間をしっかり設けることを大切に、トゥルー選手を支えてきました。
「とにかく楽しんだらいい、その時その時を楽しんで」と伝えてきたと愛子さんは言います。
常に楽しむ気持ちとサポートしてくれる環境が、トゥルー選手を成功へと導きました。
オリンピック1回目のランでは、基礎的なトリックで失敗し、35.53点にとどまり、2回目、3回目のランにすべてをかけることになりましたが、見事に逆転優勝。
Arisa Trew in action for Australia in the women's park skateboard event at the Paris 2024 Olympics. Credit: Sina Schuldt/picture alliance via Getty Images
「両親がパリまで来てくれて本当によかったです。」
「私を支えてくれ、そして世界中を旅し、大会に参加させてくれて、本当に感謝しています。」
そして間もなく、トゥルー家に新しい家族が加わります。一羽ではなく、二羽のアヒルです。
Arisa Trew said she was inspired by skateboarding's debut at the Tokyo 2020 Olympics. Source: AAP / Dean Lewins
愛子さんによると、トゥルーさんは幼いころからアヒルを欲しがってほり、他におねだりするものはなかったと言います。
オリンピックへと向かう前に「メダルを取ったら、ペットでアヒルを飼ってもいい?」と聞かれたという愛子さん。
「ゴールドメダルを取れたらいいよと答えたら、本当にゴールドメダルをとってきました。」
「(両親は)アヒルをペットとして飼いたくはなかったと思いますが、そう言えば金に向かって頑張ると思ったのではないでしょうか」、とトゥルー選手。
しかし大会中、アヒルの約束のことはすっかり忘れていました。
それを教えてくれたのは、オリンピアン仲間で親友のクロエ・コベル(スケートボード・ストリート)とルビー・トゥルー(スケートボード・パーク)でした。
「優勝したとき、2人が駆け寄ってきて、アヒルがもらえるよ!と教えてくれたの。」
「小さい頃、アヒルを『チーズとクワッカーズ』と名付けたいと思っていましたが、今はゴールディ(金)、パリス(パリ)、オリンピックのオーリーって名前をつけたら、と言われています。」
アヒルの願いはもうすぐ叶いますが、まずは2週間後に迫った大会に向けて、準備を進めていると言います。
Listen to the interview on Bilingual Chitchat
#13 Arisa Trew: Australia's youngest Olympic gold medallist
SBS Japanese
19/08/202417:47
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