気候変動対策の行動が遅れている国に対して、今後輸入品に課税する仕組みが主要7ヵ国(G7)で導入された場合、オーストラリアではニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州だけでも合計7万人の雇用が危険にさらされることががわかりました。
これはクライメイト・カウンシル(気候審議会)の警告であり、連邦政府の気候変動政策の欠如を「JobKiller」戦略であると述べています。
連邦内閣は水曜日、2050年までに排出量を完全にゼロにする計画の詳細を詰め、さらに野心的な中期目標を設定する可能性がありますが、その一方で、地域の雇用と電力価格をめぐって国民党をなだめることになりそうです。
欧州連合(EU)は、2023年から炭素価格を設定していない国からのエネルギー集約型輸入品に課税することを計画しています。
これにより、オーストラリアの輸出業者は、炭素価格が設定されている国と比較して、EUへの販売価格が高くなると考えられます。
気候審議会は、G7諸国をはじめ、中国や韓国が同様の炭素国境調整メカニズムを採用した場合、ニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州からの石炭やその他の排出量の多い輸出がどうなるかをモデル化しました。
このモデルによると、クイーンズランド州では5万人以上の雇用が失われ、州の総生産が100億ドル減少すると予測されたほか、ニューサウスウェールズ州では約2万人の雇用と50億ドルの州総生産の損失が予想されました。
気候審議会は、連邦政府がこの10年間で排出量を75%削減し、2035年までに排出量をゼロにすることを望んでいますが、少なくとも2030年までに排出量を半減させ、他の国々と同等の約束をすることを主張しています。
同団体のニッキー・ハトリー氏は、「連邦政府は先手を打って、影響を受ける地域への支援策を講じるべきだ」と述べています。
「新しい低炭素経済が到来しており、オーストラリアの地域社会や労働者のための移行計画が急務となっています」
現在、連合は2030年の目標として、排出量を2005年比で26〜28%削減することを掲げ、2050年までに排出量を正味ゼロ(ネットゼロ)にすることを「優先」しています。
また、オーストラリア研究所が水曜日に発表した「Climate of the Nation」レポートによると、調査対象となった2626人の成人のうち、4分の3が気候変動に懸念を抱いていることがわかりました。
地球温暖化によって引き起こされる山火事や洪水、絶滅危惧種の増加については、82%の回答者が不安を感じています。
また60%以上の回答者が、化石燃料の輸出に課税して気候災害に備えることや、2035年までにすべての新車販売をゼロエミッション車にすることを支持しています。
化石燃料産業に提供されている現在の補助金レベルを支持する人はわずか23%で、反対する人は57%でした。
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