キーポイント
- スキャムウォッチは、予防接種詐欺、政府なりすまし詐欺、スーパーアニュエーション詐欺、オンラインショッピング詐欺、ビジネス詐欺に注意を呼びかけています
- 詐欺被害者は、金銭的な損失や個人情報詐欺の危険にさらされる可能性があります
- マルウェアからコンピューターを守る方法はいくつかあります
で、チーフ・クリニカル・アドバイザーとして務めるスティーブ・ハンブルトン博士によると、オーストラリアではCOVID-19ワクチンに関連するさまざまな詐欺が確認されています。
例えば、偽の予防接種予約です。予約をするにはあなたが誰であるかという情報が必要となり、つまり詐欺師はその情報を求めていると博士は語ります。
「ワクチン代を要求されるかもしれませんが、ワクチンの料金は通常発生しません」
詐欺師の中には、名前をウェイティングリストに載せるように促したり、ワクチン接種前の事前検査のために代金を払うよう要求し、個人情報を盗み取ろうとします。
Source: Getty Images/Stefan Cristian Cioata
偽のワクチン証明書
『ザ・オーストラリアン・デジタル・ヘルス・エージェンシー』は、オンラインで提供されている偽ワクチン証明書作成ソフト詐欺に注意するよう、警告しています。
ハンブルトン博士によると、この手の詐欺ではクレジットカード情報を含む個人情報をサイバー犯罪者に提供される可能性が高く、個人情報窃盗の危険にさらされると注意しています。
「もちろん、あなたに偽のワクチン証明書を提供することは問題であり、自分や家族を危険にさらすことを意味しますが、それよりも問題となるのは、詐欺師らがその過程であなたの個人情報を得られるということです」
あなたの健康情報が必要となります、すなわちあなたの個人情報を盗むことに繋がるのです
個人情報はダークウェブなどの闇市場で重宝され、いったん流出した個人情報を回収することは極めて難しいとハンブルトン博士は言います。
政府なりすまし詐欺
また、COVID-19に関する情報を提供する政府機関を装った詐欺師が、テキストメッセージやEメールで人々の情報を "フィッシング "しています。
これらのメールには、個人情報や金銭情報を盗むための悪質なリンクや添付ファイルが含まれていると、ハンブルトン博士は警告。
例えば、『myGov』から届いたように見えるテキストメッセージには、「COVID-19の詳細を確認できる」という悪質リンクが貼られていたことが報告されています。
決してクリックしてはいけません。MyGovはそのような形であなたに連絡はしません。直接ウェブサイトにアクセスしてください
フィッシング
ハンブルトン博士によると、詐欺師は電話やソーシャルメディア、Eメール、テキストメッセージなど、あらゆる手段で連絡してきますが、迷惑メールやテキストメッセージに含まれるリンクをクリックする前に、よく考えるようにアドバイスしています。
「多くの人が、配送会社を装ったメッセージを受信しています。荷物を届けることができなかったとし、あるリンクをクリックするよう促すメッセージです」
荷物が届く予定がない場合は、リンクをクリックしないようにしましょう
「アマゾンのようなオンラインショッピング大手の正確なロゴを利用し、情報を盗み取ろうとするのです」
ハンブルトン博士は、リンクをクリックするのではなく、購入時の注文書に戻るよう(参考にするよう)アドバイスしています。
また、詐欺師たちの中には、COVID-19の治療薬や予防接種、フェイスマスクのような製品までを販売する、実際には存在しない、偽のオンラインショップも作っています。
マルウェアのインストールに繋がるリンク
シドニー大学・コンピューターサイエンス学部セキュリティ学科講師のスランガ・セネヴィラトネ博士によると、これらのリンクを一度クリックすると、個人情報を盗むマルウェアがインストールされる可能性があると言います。
「詐欺師はマルウェアが含まれるリンクを作成し、あなたにクリックさせることで、その悪意のあるソフトウェアをあなたのコンピューターにインストールさせるのです」
このソフトウェアは、あなたが実際に入力したキーをすべて記録することができ、その情報を「悪者」に送る通信路もあります
Source: Getty Images/boonchai wedmakawand
個人情報窃盗とダークウェブ
メルボルン大学コンピューター情報システム学部のシャントン・チャング教授は、詐欺師は常に人々の個人情報を狙っていると語ります。
名前、住所、生年月日、そして電話番号さえ知っていれば、金融機関に行って本人になりすますことができるのです
これは、すべての公的な組織が、「あなたが誰であるか」を識別する方法だと教授は言います。
個人情報がダークウェブに漏洩することで、その情報窃盗、すなわちなりすまし詐欺に遭うリスクがあります。
「個人情報は非常に価値があり、収益化することができるのです」
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チャング教授によると、一度個人情報が詐欺師の手に渡ってしまった場合、その情報が何ヵ月にも渡り利用される可能性があると言います。
個人情報は非常に価値があり、それで新しいクレジットカードを作ったり、不動産を手に入れたりと、世界中であらゆることが可能となります
在宅勤務でより危険度増す
シドニー工科大学工学・IT学部のプリヤダーシ・ナンダ博士は、在宅勤務の場合、常にオフィスで仕事をしていた時と比べると、詐欺に遭いやすくなると述べています。
「自宅で仕事をするということは、インターネットへの接続を含め、職場では確保されていた必要なセキュリティ対策がなされていないのです」
Source: Pexels/Anna Shvets
マルウェアからコンピューターを守るには?
ナンダ博士によると、マルウェアからコンピューターを守るには、いくつかの方法があります。
「まずは、時折ウイルス対策用のマルウェア対策ソフトを実行し、すべてのファイルをスキャンすることです」
もし、悪意のあるリンクをクリックした可能性がある場合は、コンピュータを技術専門家に持って行き、マルウェアや悪意のあるソフトウェアがないかをチェックしてもらうとよいでしょう。
「そして3つ目は、マイクロソフトやアップルなどのソフトウェアベンダーからパッチ*を送ってもらい、それをインストールし、コンピュータを再起動することです」
ナンダ博士は、これらのアップデートをインストールすることは重要であると強調します。
*「アップデート」や「修正プログラム」とも呼ばれる。プログラムの一部を更新して、修正を行う
報告は重要
ハンブルトン博士は、詐欺に遭った場合、当局に報告することが重要だと説明します。
「何千件もの詐欺事件が報告されており、実際にお金を失った人もいますし、そのことを恥じて報告しない人もいます。もし、詐欺にあったら、誰かに言うべきだと思います」
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